こんにちは、山屋です!
先日のKaigi on RailsにてRackを理解しRailsアプリケーション開発の足腰を鍛えようというワークショップに参加しました!
ワークショップについてと、Rackについて学んだことをまとめました。
ワークショップ参加のきっかけ
業務でRackミドルウェアに関するプルリクエストのレビューをする機会がありました。
Rackについてうっすら知識はあったものの、「なんかピンと来ていない…」という印象をRackに抱いてしまいました。
そんな折にRackのワークショップが開催されるということを知ったので参加を決意しました。
ワークショップの内容
こちらがワークショップの内容です。
1日目にRackアプリケーションとRackミドルウェアの作成を、2日目にRackサーバーの作成を行いました。
私はワークショップ中にRackサーバーの作成までは終了できなかったのですが、実際に手を動かしたことでRackの理解が深まりました。
終始和やかな雰囲気で、スピーカーのhogelogさんは「ここにいる全員と話すつもりで来ました」と仰っており、楽しく進めることができました。もちろん私もお話しさせていただきました!
Rackについて学んだこと
Rackの概要
RackはWebアプリケーションサーバーとWebアプリケーションフレームワーク間の標準仕様です。
Rackがなかった頃は特定のアプリケーションサーバーとフレームワークの組み合わせでないと動作しない…ということが発生していたようです。RailsはRackアプリであるのでUnicornやPumaなど様々なWebアプリケーションサーバー上で動作します。
Rackアプリケーションの基礎
callメソッドを定義しているものが最低限のRackアプリケーションです。
callメソッドでは[status, headers, body]の形式でレスポンスを返す、という決まりごとになっています。
レスポンスは必ずこの形式なので、役割がはっきりしていますね。
コード例はこちらです。
Rackミドルウェア
資料からRackミドルウェアの概要を引用します。
Rackミドルウェアは、Rackアプリケーションのリクエストとレスポンスの間に介在し、リクエストを加工したり、レスポンスに処理を加えたりするコンポーネントです。ミドルウェアをチェーンのようにつなげることで、複雑な処理をシンプルに組み立てることができます。
すなわち、自身のcallメソッドで加工を行いつつ、他のRackミドルウェアやRackアプリケーションのcallメソッドを呼び出して処理を続けていくことができます。
用意する必要があるメソッドはcallとinitializeメソッドの2つです。
コード例では、initializeメソッドで引数を受け取り、ミドルウェアのcallメソッドの「status, headers, body = @app.call(env)」でAppクラスのcallメソッドを呼び出しています。
その後、callメソッド内でリクエストやレスポンスを加工することができます。
(ちなみに私がレビューしたコードではcallメソッドでUser Agent文字列の加工を行っていました)
Rackサーバー
重ねてですが、資料からRackサーバーの役割を引用します。
大まかに言うとクライアントからHTTPリクエストを受け取り、Rackプロトコルで定まった値を詰め込んだ env ハッシュを作成してRackアプリケーションに渡し、Rackアプリケーションから帰ってきた配列を元にクライアントにHTTPレスポンスを返すのがRackサーバの仕事です。
Rackミドルウェアにstartメソッドを追加して、サーバーの処理を記述しているようです。
ソケット通信などあまり知識がないものも多く、正直なところ、サーバーはこんなことをしているんだという大雑把な理解となってしまいました。
ただこの内容はRailsを理解する上で重要なことだと思うので、機会を作ってまた深掘りしていきたいなと思いました。
学んでみてどうだったか
今まではRackについて「サーバーと何かしらやりとりをしている。ミドルウェアを作れる。RailsはRackアプリである」くらいの認識しかなかったのですが、解像度が上がったと感じました。
改めてレビューしたプルリクエストを見返してみたところ、どんな処理なのかスッと頭に入ってきました。
手を動かして学んだことにより、理解が深まったなと感じました。
自分から積極的に学ぶにはハードルが高い分野だったので、ワークショップを開催していただけてとてもありがたかったです!
同時に知識が足りていない部分も浮き彫りになったと思います。(サーバーが何をしているのか、サーバーの違いは何なのか、Railsに他にどんなライブラリが使われているのか、などなど…)
Kaigi on Railsで「Rails wayに乗りましょう」という話をいろんな方が仰っていましたし、少しずつRailsが何をしているのか学んでいこうと思います。
最後になりましたが、ワークショップを開催してくださったhogelogさん、本当にありがとうございました!
参考資料
- Chapter 09 [Rails基礎] RackとRackミドルウェア
- 3-2 RackとRailsの関係